鍼灸師:五味 哲也の5冊

安藤昌益の世界-独創的思想はいかに生れたか-

■ 石渡 博明(著)
■ 草思社(2007年)

著者から直接本をいただくまでは、「安藤昌益」を知りませんでした。
読んでみるとあの時代にこんな発想をしてたのか! と驚きました。

「自然堂はりきゅう院」の名前も実は、安藤昌益の影響を受けて名付けました。

「自り(ひとり)然る(する)」「自(われ)と然(す)る」「自(わ)が然(す)る」「自(おの)ずから然(しか)る」とも読まれるように、
この世界は生き生きとした運動する物質により構成され、瞬時も休むことなく運動を続けている。

「自」(ひとり)ということが強調されるのはその運動エネルギーが外部からだけではなく、内部にあることを指しています。
すなわち内部の新陳代謝、内部生命により、静止しているように見えて、一瞬たりとも同じものでない…って、まさに動的平衡の世界観!

また「陰陽」は身分の固定化や差別につながるから「進退」と表現すべきだ!
「対立」ではなく「互性」だ!
差別を無くすためには農業だ!
幸せになるには全員平等だ!

そして、生命を生み育む女性や産婦人科こそが大事なんだ!

これらの思想は当時としては過激思想。それだけに、彼の社会的弱者や被差別者への深い愛情を感じてしまうのです。

250年生まれるのが早かった、僕らの大先輩です。

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