鍼灸師:脇 英彰の4冊

慢性疼痛の治療:患者さん用ワークブック

■ ジョン・D・オーティス(著)/伊豫 雅臣・清水 栄司(監訳)
■ 星和書店(2011年)

慢性疼痛患者は鍼灸院に多く訪れると思います。身体に着目した痛みをとる治療法は数多く存在すると思いますが、認知に対する治療法は学んだことがありますか?

慢性疼痛患者さんは痛みの経験をネガティブに捉える傾向にあります。動きも痛みもよくなってきたのに、まだ痛みが強くて日常で痛みについてよく考えている!運動を薦めてもまた動いたら痛くなるから動かない!とおっしゃる患者さんにであったことはないですか?

痛みに対して注意がとらわれる、痛みの脅威を過大評価する慢性疼痛患者さんはこのような破局的思考をもっています。
そのため、慢性疼痛患者にはそういった認知や行動を変える認知行動療法が治療として推奨されています。この本は患者さんがセルフで行う認知行動療法のワークブックです。ただ、一人で実施するには、継続するモチベーションが湧きません。是非とも、鍼灸師さんも理解して一緒に進めてみてほしいです。

伊藤和憲先生が作成した慢性痛患者のためのセルフケアガイドブックと一緒に、患者さんの認知にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
『慢性痛患者のための セルフケアガイドブック』
http://www.meiji-u.ac.jp/pub/curingscience/files/selfcare_book.pdf

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