ワクワクしながら挑戦してきた/鍼灸師:脇 英彰

脳血流が増える頭皮鍼の可能性

先生の研究で、三叉神経領域の鍼通電療法で前頭前野の血流が増えるっていうものがありますよね。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
『鍼通電刺激が前頭前野の脳血液量に及ぼす影響』ですね。
ある患者さんは、ご自身でいろいろと調べるうちに、うつ病で脳血流が下がることによって認知機能が低下するんじゃないかっていう不安感にさいなまれていたらしいんです。だから鍼治療で実際に血流が上がるデータが出ているのを知って、「自分にとって希望になる」とおっしゃっていました。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
良い形で研究が活用されていて嬉しいです。
僕はこの研究が好きで、すごい話だと思っているんです。前頭前野の血流が改善するとなると、うつ病以外にもいろいろな可能性が考えられますよね。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
たくさんあると思います。
たとえば、どんなものが考えられるんでしょうか。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
特に痛みですかね。なかでも、鍼灸師として関わるなら慢性疼痛だと思います。前頭前野の機能が低下していると、痛みをより強く感じるんです。なので、前頭前野の機能を改善することができれば、痛みを感じにくくすることができます。
わたしは神庭と百会に横刺をして、100Hzで通電することが多いです。患者さんからの反応はとても良いし、研究データをもとに説明できるのもありがたいですね。
タキザワ
タキザワ
脇先生
脇先生
このような研究結果をみて、臨床に使ってくれる鍼灸師さんがいてくれるととても嬉しいです。研究では、三叉神経が出てくるところを狙ったので、眉毛付近に刺しているんですけど、頭皮も三叉神経領域があるので、患者さんに合わせて場所を変更してもいいと思います。

学会は、ガツガツ参加すれば得るものが多い

今度の全日本鍼灸学会のミレニアル世代のパネルディスカッションに出ますよね。脇先生は、学会の魅力ってどんなところだと思いますか。
ゆうすけ
ゆうすけ
脇先生
脇先生
学会の良さは、一気にまとまった情報がもらえるところだと思います。たとえば、うつ病に関する論文を調べるにしても、自分一人だと時間かかるじゃないですか。でも学会に参加したら、一般演題で引用文献をつけて発表してくれるんですよ。なので、その引用文献をメモしたら、それだけで調べる手間が省けますよね。文章だとわかりづらいことも、図などを使ってわかりやすく教えてもらえますし。なおかつ「これ面白いな」と思ったら、その場で専門の先生に直接聞けるのも魅力ですよね。
そうですね。直で聞けるのはありがたいと思います。
ゆうすけ
ゆうすけ
脇先生
脇先生
だからもっとガツガツ参加していいと思うんです。結果を聞いて「あ、そうなんだ」じゃなくて、「自分ならどうする?」とか、積極的に学ぶ姿勢で参加したら、得るものが多いと思っています。
座談会はどんな感じで行う予定ですか。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
聞いてくれている方々に参加してよかった!ワクワクした!と思ってもらえるようなスライドを作れたらと思っています。
それが、なかなかできないんですけどね。学会でワクワクするような発表なんて難しいですけど、できるだけ頑張りたいですね。
すごく楽しみです。
ゆうすけ
ゆうすけ

教員として、学生たちには夢を持ってほしい

今、大学で教えていらっしゃるんですか。
ゆうすけ
ゆうすけ
脇先生
脇先生
助教として、授業も持たせてもらっています。
夢のひとつが、すでに実現できているってことですよね。甲子園には連れて行けないかもしれないですけど。
ゆうすけ
ゆうすけ
脇先生
脇先生
そうそう、甲子園は叶いそうにないですけど、教育に携わることができているのは嬉しいです。
僕自身がいろいろな先生に出会って、アドバイスをもらってここまできたので、そういう存在になりたいなと思っています。自分がやってもらったことを、生徒たちに返していきたいっていう気持ちが強いですね。
若手鍼灸師に鍼灸の面白さについて聞かれたら、どんな風に答えますか。
ゆうすけ
ゆうすけ
脇先生
脇先生
鍼灸の面白さは、何を勉強しても良いところだと思うんです。だから「自分はこれだ」って決めて進むよりも、全て受け入れて学んで、臨床に携わってもらいたいなと思っています。
僕自身、特定の治療法だけおこなっているわけではないですし、いろいろな引き出しを持っている方がいいんじゃないかなって。いろいろな人の意見を聞いて、情報を素直に受け入れて進んでいってほしいなと思いますね。
脇先生の歩みから、まずはやってみることが大切なのかなと思いました。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
そうですね。「気になったらまずやっちゃえ!」っていう感じですね。どんどんやってみようって伝えたいです。
研究して結果が出ない時は、どんなふうに考えるんですか。「上手く結果が出ないな」みたいな時って出てくるじゃないですか。
ゆうすけ
ゆうすけ
脇先生
脇先生
思った結果が出なくても、それも結果なので、それをベースに次の研究につなげればいいと思ってます。研究だけでなく、リスクがあったり、誰かに迷惑をかけたりすることはセーブした方がいいと思うんですけど、やれることはやっていきたいですね。
教員として、学生たちへメッセージはありますか。
ツルタ
ツルタ
脇先生
脇先生
とにかく夢を持って欲しいなと思います。興味があることに積極的に向かっていってほしい。僕自身、学生時代は、「これやりたい」って言っていろいろな人に会いに行っていましたけど、そういう経験のおかげで今があると思っているので。あとは、鍼灸師として素敵な人になって欲しいですね。

取材協力:帝京平成大学

【記事担当】
取材 = ゆうすけタキザワツルタ
撮影 = ツルタ
文  = なるみさわ
編集 = ツルタ

>> インタビューのダイジェストマンガはコチラ


>>> 脇先生の選んだ本はコチラ

【編集部からのお願い】
※ 記事に関するご意見・お問い合わせは コチラ にお願いします。
※ 直接、インタビューにご協力いただいた方へのご意見・お問い合わせは、ご遠慮ください。

□ Facebook
https://www.facebook.com/haritohito89
□ 公式Twitter
https://twitter.com/haritohito

1 2

3

akuraku3.jpg

関連記事

  1. これからの「鍼灸」の話をしよう(前編)/鍼灸師:伊藤 和憲

  2. 知りたいって原動力じゃない?/鍼灸師:鈴木 寿文

  3. 5代目鍼灸師でも、隣の芝生は青いです/鍼灸師:樋口 美花

  4. これからの「鍼灸」の話をしよう(後編)/鍼灸師:伊藤 和憲

  5. 津田先生、学会ってなんですか?【後編】/ハリトヒト。番外編

  6. 今までの概念を壊さないと、可能性って見えてこない気がしたんです/鍼灸師:有山 優子