入門『地頭力を鍛える』 32のキーワードで学ぶ思考法
■ 細谷 功 (著) ■ 東洋経済新報社 (2019年) |
「鍼灸師は、他職種に対して異常なまでにコンプレックスをもっている」
この意見に対して、うなずく人は多いと思います。
事実、「学生による学生のための学術が好きになる学会(通称:5G、2019年12月21日開催)」でも、多くの学生さんが、この鍼灸師コンプレックスに関して『変!』だと述べていたことが印象的でした。
確かに、鍼灸系の学校の偏差値は高くありません。しかし、だからと言って、頭が悪いのでしょうか?
私はそうは思っていません。教員をしていて、むしろ鍼灸学生は、(知識量は確かに少ないですが…)頭がいいとすら思っています。
著者は、頭の良さには「物知り」「機転が利く」「地頭がいい」の3種類があると述べています。
この3つ目の地頭力とは、未知の領域で問題を解決していく能力のことです。
臨床力につながる力ではないでしょうか。
この地頭力を鍛える方法を、分かりやすく説明しています。
コンプレックスもおのずとなくなるかもしれませんね。
ただ、鍼灸師は国家資格です。決められたルールを守れるかどうかもまた必要な能力ですので、学生さんは勉学をおろそかにしてはいけませんよ(笑)。
地頭力を鍛えれば、国家試験に向かう姿勢もまた、おのずとできてくるはずです。