新十八史略―天の巻
■ 常石 茂(著) ■ 河出書房新社(1978年)※版元品切れ中 |
天、地、人三冊揃えると、天地開闢から南宋の滅亡(13世期)まで、中国の正史が通し読みできます。
日本の寺子屋でも標準教科書だった『十八史略』の小説版。
表の歴史も面白いですが、医術や仙道が政治にどう関わって来たか、また時代ごとの思想的な背景の変遷や、時代を越えて繰り返される私怨の絡む権力闘争など、とても身に染みて面白いです。
ほとんどの故事成語の成り立ちも網羅されてますので、蘊蓄派にも満足してもらえる一冊。
数ある十八史略の小説版の中でも、著者の大物歴史家が、気合のメッセージを行間に込めた名著です。