北は北海道、南はなんちゃら島やいうところから。
ご卒業してからは?
さまんさ
藤川先生
卒業後は9年間、病院に勤めました。
その頃って、病院での鍼治療はよくあるものだったんですか?
さまんさ
藤川先生
いや、県立尼崎病院と、大阪労働衛生センター第一病院、近畿大学医学部の東洋医学研究所、大阪医科大学の麻酔科くらいかな。
鍼麻酔ブームは来てたけど、そんなに多くなかったんですね。
さまんさ
藤川先生
そうそう。大阪は少なかったね。東京はいっぱいあったけど。
ペインクリニックって呼ばれるようなところは、よく鍼してましたよ。
ペインクリニックって呼ばれるようなところは、よく鍼してましたよ。
先輩方のお話を聞くと、「病院で経験を積んだ」っておっしゃられるんですよね。
わたし、病院勤務っていいなって感じちゃうんです。
わたし、病院勤務っていいなって感じちゃうんです。
さまんさ
藤川先生
せやねぇ。1日100人前後、患者さんが来るような病院やったからね。
鍼灸師が5人おって、1人で20人くらい診たかな。経験は、ようけ積んだなあ。
鍼灸師が5人おって、1人で20人くらい診たかな。経験は、ようけ積んだなあ。
1人で20人以上!
さまんさ
藤川先生
その病院は日中友好条約と関係があった病院やから、中国鍼しかできひんところやってん。
卒業してすぐの就職先が、長い鍼をブスっと刺すような現場やったから、カルチャーショックを受けましたわ(笑)。
卒業してすぐの就職先が、長い鍼をブスっと刺すような現場やったから、カルチャーショックを受けましたわ(笑)。
それは…!
さまんさ
藤川先生
でもまぁ、鍼数は少ないからね。勉強になりました。
どんな患者さんが来てはったんですか?
さまんさ
藤川先生
末期がんの鎮痛や、顔面神経麻痺の方、なんでも来てはりましたよ。
北は北海道、南はなんちゃら島やいうところから(笑)。
北は北海道、南はなんちゃら島やいうところから(笑)。
(笑)。それは勉強になりますねぇ…。
さまんさ
藤川先生
鍼灸師のチームの中では、ぼくが一番年上やったんやけど、経験がないから。
昼間に診た患者さんの症状を夜の間に調べて、なんとかせなあかんと思って、必死に調べてましたわ。
昼間に診た患者さんの症状を夜の間に調べて、なんとかせなあかんと思って、必死に調べてましたわ。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
でも9年目で、その病院の鍼灸部門がなくなることになってね、リストラされました。
えぇ…、すごく残念…。
さまんさ
藤川先生
いろいろ他を探したけど、常勤はなかなかなくて。
で、1984年に、いまの治療院を開業しました。
しょうがなかったんですわ。子どもが3人おったし。そのあとにもう1人できたし(笑)。
で、1984年に、いまの治療院を開業しました。
しょうがなかったんですわ。子どもが3人おったし。そのあとにもう1人できたし(笑)。
それはしょうがない(笑)。
さまんさ
けっきょくね、免許を取らんと、何も始まらへんってことですわ。
ちなみに先生は、長い間、臨床と講師を両輪でされていますよね。
さまんさ
藤川先生
森ノ宮医療専門学校と、いまは森ノ宮医療大学でも教えていますね。
教える立場の方に聞いてみたいな、と思っていることが1つあって。
さまんさ
藤川先生
はいはい、なんでしょう?
学校ではどうしても「まず国家試験に合格しなきゃ」ってなるじゃないですか。
予備校のような風潮になりがちというか。
そういう状況について、どう思われていらっしゃいますか?
予備校のような風潮になりがちというか。
そういう状況について、どう思われていらっしゃいますか?
さまんさ
藤川先生
そりゃもう「鍼灸師になってもらわなあかん」と思ってますよ。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
専門学校は自動車教習所みたいなもんやと思っていて。
というのは?
さまんさ
藤川先生
とりあえず、車に乗る方法は教えるでしょ。アクセルやらブレーキやら。
それが、鍼をしたり、お灸をしたりする技術ですね。
さまんさ
藤川先生
そう。で、ペーパーテストは各地の試験場で合格してこいと。
たしかによく似てますね。
さまんさ
藤川先生
でもね、実際免許を取って、一般道を走ってみましょ、高速道路を走ってみましょってなったら、どうでしたか?
右往左往です(笑)。
さまんさ
藤川先生
でしょ(笑)? けっきょくね、免許を取らんと、何も始まらへんってことですわ。
免許を取ってからのほうが、勉強ですし。
免許を取ってからのほうが、勉強ですし。
わたし、藤川先生のお話を聞くとね、もっと学生時代に、言い方は悪いですが、「鍼灸で遊んだらよかったなぁ」って思ったんです。
鍼灸の面白さに、もっと飛び込めばよかったなって。
鍼灸の面白さに、もっと飛び込めばよかったなって。
さまんさ
藤川先生
たしかに「痔になって孔最で治った」っていうのは、自分にとってセンセーショナルな事件やったね(笑)。
あれがなかったら、鍼灸師になってへんかったかもしれん。
あれがなかったら、鍼灸師になってへんかったかもしれん。
痔が運命を変えたんですね(笑)。
さまんさ
藤川先生
こんな世界に自分が入るなんて、全く考えてへんかったからねぇ。
ぼくは元々電気工学を専門にしてたんでね。
ぼくは元々電気工学を専門にしてたんでね。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
陰陽五行説なんて、全く受け付けへんかってん。
「なんやこれ?」って思ってましたわ(笑)。
「なんやこれ?」って思ってましたわ(笑)。
水と油みたいなもんですね(笑)。
さまんさ
藤川先生
こんなもんで治ったら医者も薬もいらんやないかと。
毎日バカにして授業を受けてたからね(笑)。
毎日バカにして授業を受けてたからね(笑)。
いまはどのようにお考えですか?
さまんさ
藤川先生
せやねぇ…。やりがいはあるんちゃいますか?
大金持ちにはなれず、小金持ちくらいやけど(笑)。
大金持ちにはなれず、小金持ちくらいやけど(笑)。
(笑)。陰陽五行などの東洋医学については?
さまんさ
藤川先生
んーと…。脈診については…わっかりませーん!って感じですね。
あはは。
さまんさ
藤川先生
いや、もちろんちゃんと診るけどね。
でも、「ほな弁証論治でどないや?」って言われたら、そこまではわからないんですわ。
でも、「ほな弁証論治でどないや?」って言われたら、そこまではわからないんですわ。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
学生時代にもっとしっかり教えてくれる先生がいたら…とは思いますね。
そこはちょっと残念に思ってます。
そこはちょっと残念に思ってます。
NEXT : 自分の治療を「ゲテモノ治療」って呼んでます。