自分の治療を「ゲテモノ治療」って呼んでます。
じゃあ、いまの治療スタイルってどんな感じなんですか？
さまんさ
藤川先生
あ、いまの？ 自分の治療を「ゲテモノ治療」って呼んでます。
ゲテモノ?!（笑）
さまんさ
藤川先生
「藤川ゲテモノ鍼灸院」っていう名前に変えようかなって思ってますねん（笑）。
あははははは（笑）。
ちなみにどんな治療法なんですか？
ちなみにどんな治療法なんですか？
さまんさ
藤川先生
うちには3本柱があってね。
1つ目が「耳介療法」。
1つ目が「耳介療法」。
耳ツボ、耳鍼ってやつですね。
さまんさ
藤川先生
2つ目が腕踝鍼（わんかしん）。
ワンカシン？
さまんさ
藤川先生
腕関節と足関節の皮下鍼だけで治療するっていう方法ね。
3つ目が、経筋治療。
3つ目が、経筋治療。
耳介療法、腕踝鍼、経筋治療が先生の3本柱、と。
耳介療法はいつから？
耳介療法はいつから？
さまんさ
藤川先生
耳介療法は、自分が大学で教えるようになった頃に、プレッシャーのせいで、わけのわからん腰痛になってしもてね。
あらあら。
さまんさ
藤川先生
いろんな鍼灸師の先生に診てもらったんやけど、いっこも治らへん。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
で、とにかく消去法で治療を試していったのね。
で、そのうち、耳鍼を思いついて、耳の「腰痛点」に鍼を貼ってもらったら、ピターっと治ってん。
で、そのうち、耳鍼を思いついて、耳の「腰痛点」に鍼を貼ってもらったら、ピターっと治ってん。
おお。また実体験。
さまんさ
藤川先生
3ヶ月治らんかった腰痛が治ったから、「こらスゴイ！」と思ったんや。
痔のときと同じですね（笑）。腕踝鍼はいつ頃から？
さまんさ
藤川先生
これは病院のときやね。
他の人がやってるのを見て、真似して、よう効くから「これは誰にも教えんとこ」って思ったわ（笑）。
他の人がやってるのを見て、真似して、よう効くから「これは誰にも教えんとこ」って思ったわ（笑）。
ナイショにしちゃうんですか（笑）。
さまんさ
藤川先生
まぁ、真似しても、効きすぎてな。儲かれへんかもしれん（笑）。
（笑）。経筋治療は？
さまんさ
藤川先生
経筋は「経絡経穴概論」の教科書の後ろの方に、チョコンと書いてあるだけなんやけど。
書いてありますね。
さまんさ
藤川先生
学校で教えていた学生が、「外側上顆炎が肩甲間部のマッサージで治るっていう人がいてはったんで、他にも症例を集めてみませんか？」っていう話を持ってきてね。
それが経筋治療と一致するねん。
それが経筋治療と一致するねん。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
実はぼくも外側上顆炎で、雑巾を絞られへんような状態のときやって。
へえ。
さまんさ
藤川先生
ずっと痛かった自分の外側上顆炎が、肩甲間部に円皮鍼を貼ったら、3週間で治ってん。
またまた実体験！
さまんさ
藤川先生
そうそう。「こらスゴイ！」と、またなってん（笑）。
どうして「ゲテモノ治療」って名付けたんですか？
さまんさ
藤川先生
なんでもアリやから（笑）。
なんせね、結果を出さないといけないんです、ぼくらは。ちゃんと痛みを取らなあかん。
なんせね、結果を出さないといけないんです、ぼくらは。ちゃんと痛みを取らなあかん。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
効果を出したら、ちゃんと患者さんが患者さんを連れてきてくれるからね。
そのための手段は選ばないよっていうのが、ぼくのやり方。
そのための手段は選ばないよっていうのが、ぼくのやり方。
難しいけど…、そこが大事ですよね。
さまんさ
藤川先生
自分で「こらスゴイ！」と思った治療法が、他の人にも効いたら、興味を持って取り入れる。
それでええんちゃいますか。
それでええんちゃいますか。
ちなみに先生は、師匠は…？
さまんさ
藤川先生
師匠はいてませんねぇ。
なんにもわからへんゼロのところから、たとえば病院で隣の鍼灸師がやってはる治療方法を盗み聞きしたり、覗いたりしながら真似してましたわ。
なんにもわからへんゼロのところから、たとえば病院で隣の鍼灸師がやってはる治療方法を盗み聞きしたり、覗いたりしながら真似してましたわ。
当時は師匠を持つ鍼灸師のほうが多かったんですか？
さまんさ
藤川先生
そやねぇ。一定数いたね。師匠を持つことはええなって思いますよ。
患者さんへの接し方とか、師匠を持ってる人は、何かがちょっと違う。
患者さんへの接し方とか、師匠を持ってる人は、何かがちょっと違う。
わたしたちの世代は、師匠を持つ鍼灸師のほうが少ない印象で。
「この先どうしたらいいかな？」っていう新卒の方が多い気がするんです。
「この先どうしたらいいかな？」っていう新卒の方が多い気がするんです。
さまんさ
藤川先生
「石の上にも三年。その道10年。道を語るに30年。」っていう言葉があってね。
ほうほう（すかさずメモをとる）。
さまんさ
藤川先生
ぼくが作った言葉やねんやけど（笑）。
（ずっこける）
さまんさ
藤川先生
あはは。まぁ、とりあえず、3年は辛抱せなあかんね。
で、いろんなものを見るのに10年。
後ろを振り返って、鍼灸って◯◯やなぁって語れるのに30年。
で、いろんなものを見るのに10年。
後ろを振り返って、鍼灸って◯◯やなぁって語れるのに30年。
あぁ、染みますね。
さまんさ
藤川先生
師匠を持つ持たない、関係なくね、そうやってがんばらんといかんのちゃうかなと思いますよ。
オモロないことを話したってしゃーない（笑）。
長期にわたって臨床と講師を両方続けるって、すごく大変なことやと思うんです。
藤川先生のそのパワーってどこからやってくるんですか？
藤川先生のそのパワーってどこからやってくるんですか？
さまんさ
藤川先生
遊びやと思ってやってます…って言うたら怒られるな（笑）。
たいそうなことやと思って、構えてないんですわ。
たいそうなことやと思って、構えてないんですわ。
肩の力が抜けてる感じなんですね。
さまんさ
藤川先生
最初はプレッシャーで死ぬかと思ったけど（笑）。
わけのわからん腰痛になってはりましたね（笑）。
ちなみにどんなきっかけで講師になられたんですか？
ちなみにどんなきっかけで講師になられたんですか？
さまんさ
藤川先生
話せば長くなるけれど…、短く言うわ（笑）。
はい（笑）。
さまんさ
藤川先生
大阪環状線に乗ってたときにね、当時の森ノ宮医療学園専門学校の理事長やった森 俊豪（しゅんごう）さんを駅のホームで見かけたんですわ。
森 俊豪さん！ 写真でお見かけしたことがあります。
さまんさ
藤川先生
「森さんに声をかけろ！」っていう天の声が鳴り響いてね、ちょっと待ち伏せして（笑）、声をかけて、大阪駅から森ノ宮駅までの間、お話したんです。
待ち伏せ（笑）。
さまんさ
藤川先生
ふふふ。心のどこかで、教員として雇ってほしいなぁって思っていたから、自分が教員免許を持っていることを匂わせながら話をしました（笑）。
案の定、学校から電話があって、採用されることになったんです。
案の定、学校から電話があって、採用されることになったんです。
チャンスをものにしたんですね。
さまんさ
藤川先生
電話がかかってきたときは、「ヨッシャー！」と思ったねぇ。
その当時は先生は開業されていたんですよね？
さまんさ
藤川先生
そうそう。この院をすでに開いていました。
教員として教えたいって思っていたんですか？
さまんさ
藤川先生
そうそう。教えることに興味があってね。
先生とお話しているとね、「鍼灸ってオモロいなぁ！」と感じるんです。
オモロいお話を聞かせていただけて、学生さんは幸せやろなぁって。
オモロいお話を聞かせていただけて、学生さんは幸せやろなぁって。
さまんさ
藤川先生
そらそーやわ。オモロないことを話したってしゃーない（笑）。
自分が鍼灸をしてて「オモロい！」と思ったことを、学生には話してますね。
自分が鍼灸をしてて「オモロい！」と思ったことを、学生には話してますね。
長い間、講師をされている中で、いまの学生の特徴ってどのように感じられますか？
さまんさ
藤川先生
いまの学生は不器用やね（笑）。
でも、不器用で、まっさらな状態で入ってくるでしょ？
だから吸収する子はどんどん吸収する印象やね。
でも、不器用で、まっさらな状態で入ってくるでしょ？
だから吸収する子はどんどん吸収する印象やね。
真っ白から、いろんな色に変化できるってことですもんね。
さまんさ
藤川先生
そうそう。だからこそ、オモロい授業をせなあかんって思うんです。
パワーポイントは見せたら寝るし（笑）。
パワーポイントは見せたら寝るし（笑）。
その記憶、自分にもありますね（笑）。
さまんさ
藤川先生
でも、ちゃんと勉強してる子はね、いろんなところから治療のエッセンスを集めてね、自分の治療法を描きますわ。
うんうん。
さまんさ
藤川先生
あと、治療に対して慎重かどうか。
慎重な子は、真剣に取り組むから、よく伸びるなぁと感じます。
今も鍼灸学校の学生は、ええ子が多いですよ。
慎重な子は、真剣に取り組むから、よく伸びるなぁと感じます。
今も鍼灸学校の学生は、ええ子が多いですよ。
