「eスポーツ鍼灸」の確立へ
平松先生
eスポーツの特性を考えたときに、ほかの医療職と比べて、1番相性がいいのは鍼灸師だと思うんですよ。
それはどうして?
ツルタ
平松先生
それこそスポーツの現場でトレーナーとして主に活動しているのは、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師などですよね。だけど理学療法士や柔道整復師が強みを発揮できるのは、どちらかというと、外傷の部分じゃないですか。eスポーツって目立った外傷があるかと言うと、ちょっと考えられない。
うん、たしかに外傷はないよね。
ツルタ
平松先生
だからプレイヤーの愁訴にどれだけ対応できるかが重要だと思うんですよ。そうすると、医療系の資格で可能性が大きいのは鍼灸師じゃないかなって。
なるほどね。しかも勝負の世界にいる人って発想がシンプルで、効くとわかっているものはすぐに取り入れるから、そこでしっかり対応できればニーズは高そう。
ツルタ
平松先生
そう、プロ意識が高い人ほど、身体へのケアへのアンテナは高いですから。
ただし、これはプロゲーミングチームに限った話ではないですが、実際に鍼灸師がチームと契約をするのは、そんなに簡単なことでありません。課題はぼくら鍼灸師の価値をどう見出して、どう評価していくのかっていうことに尽きますね。
ただし、これはプロゲーミングチームに限った話ではないですが、実際に鍼灸師がチームと契約をするのは、そんなに簡単なことでありません。課題はぼくら鍼灸師の価値をどう見出して、どう評価していくのかっていうことに尽きますね。
だからこそ、平松くんみたいに、これからの世代の鍼灸師が、新しい鍼灸の分野で学会発表を行うのは、すごく意味のあることじゃないかな。未来の鍼灸とeスポーツをつなげる役割を背負っていると思うよ。
ツルタ
平松先生
ありがとうございます。まずは1例報告でもいいと思っていて、学術の土俵でも「eスポーツの選手に鍼灸が有益である」という証拠を増やしていきたいです。
うんうん。ただのクソガキじゃなくて(笑)、積極的に学術と関わっているところがかっこいいよね。
ツルタ
平松先生
根がゲーマーなだけですよ(笑)。
あとコロナで見送りになりましたが、eスポーツの専門学校で非常勤講師として、今年度はeスポーツの選手を目指す学生向けに、身体の構造やトレーニングなどについて、教えるはずだったんです。
あとコロナで見送りになりましたが、eスポーツの専門学校で非常勤講師として、今年度はeスポーツの選手を目指す学生向けに、身体の構造やトレーニングなどについて、教えるはずだったんです。
臨床もしながら、研究に携わって、そして教育…。平松くんはどんなことでもまずは挑戦してみるタイプなのかな。今は、そういう若者は珍しい気がするんだけど、なんでやれちゃうの?
ツルタ
平松先生
うーん、だって失敗したり間違ったりしても、謝ればいいじゃないですか。失敗しても、次のステップに進めるんだったら、それは経験であって自分の蓄積になっているものだとぼくは思うので。だからいろんなことをやりたいですね。
仮にできなくても、それが自分の限界だっていうことが分かりますし。そして最終的には、これらを踏まえ、育ててくれたところに恩返しして、循環させていくことが重要だなと。
仮にできなくても、それが自分の限界だっていうことが分かりますし。そして最終的には、これらを踏まえ、育ててくれたところに恩返しして、循環させていくことが重要だなと。
たしかにそのとおりだね。今後もeスポーツに鍼灸師としてずっと関わりたいと思っている?
ツルタ
平松先生
もちろんです。eスポーツの市場は必ず大きくなります。それに追随して、鍼灸師に何ができるのかを示して「eスポーツ鍼灸」の確立に向けて、鍼灸の明確な立ち位置を作らなければなりません。ゲーム好きの同志が、その仲間に加わってくれるとうれしいですね。
鍼灸師はeスポーツのトレンドに置いていかれないようにしないとね。
ツルタ
平松先生
本当にそうですよ。これからもeスポーツが発展していくのは、世界的な流れをみても明らかですから。
撮影協力:Atube
平松先生からのお知らせ
東京有明医療大学では腰痛に対する鍼治療の効果に関する臨床研究をおこなっております。
鍼治療の対象に慢性腰痛がありますが、その科学的根拠は十分ではありません。慢性腰痛があり臨床研究にご参加いただける方をお待ちしております。
担当:奈須 電話:0120-644-655
詳細はこちら(外部リンクにジャンプします)
平松燿 Twitter:@380yh
【記事担当】
取材 = ゆうすけ・ウラベ・ツルタ・シンタロー
文 = ツルタ
撮影 = ウラベ・シンタロー
編集 = くちやまだ
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