臨床経絡経穴図解
■山下 詢(著) ■医歯薬出版(初版 1971年、第2版 2003年) ※現在は販売しておりません |
鍼灸を勉強してまず問題となるのは、経絡経穴である。これを覚えないことには、始まらない。
ところが鍼灸の臨床を何年もしているのに、ツボがとれない人が結構いる。人によっては、経穴の名称さえ忘れている。
これで鍼灸をしていますというのは、舵のない船に乗っているようなもので、不安でしょうがない。まずはしっかりと経絡経穴を自分のものにしてほしい。
そこで鍼灸学校の学生さんが見学に来たときには、次回見学を希望されるなら、学校で使っている『経穴概論』の教科書の図をすべてトレースしてから来てもらっている。
そうすると経絡経穴を覚えるからである。僕は山下詢先生の『臨床経絡経穴図解』を全部写して位置を覚えた。
この本は、ツボの位置について異説も取り上げてあり、臨床に非常に役立つ。当然、教科書より良いのだが、学生さんには混乱が起こるので、この本を勧めてはいない。
しかし、臨床に入るとツボの位置ほど誤差のあるものはないと知らされる。指先でかすかな変化を感じてしっかりとツボをとれる鍼灸師になってほしい。そのためにこの本を推薦する。