列子 上
■ 小林 勝人(著) ■ 岩波書店(1987年) |
日本のサブカルチャーに深い影響を与え、古来の習俗を形成して来たのが道家の思想です。その三大家、老子、荘子、列子の三番手が、これ。
ちょっと器用だけど、すぐ調子に乗って老師に怒られてしまう列禦寇(れつぎょこう)先生の失敗談により、形に拘る下らなさと、形の向こうに広がる真理を教えてくれる世界的古典。
カントもこれ勉強して哲学者になれました。日本の剣豪の色んなエピソードや、禅問答なんかの元ネタも満載。
術に生きる我々が陥いりやすい、安易な『形』や、安い納得を、列禦寇先生の自虐によって、笑いネタとして昇華して下さる救いの書(笑)。
カッコいい老子や荘子より、ちょっと可愛い列先生の魅力を、ぜひご堪能ください。