日本の鍼灸業界では「学会」というイベントが、年に数回行われます。
創刊号のインタビューでも「臨床しながら、学会で発表しています」という先生もいらっしゃいましたが…。
実はふだん臨床ばかりで、学会へは積極的に参加していないハリトヒト。編集部のメンバーたち(ちなみにゆうすけとさまんさは全日本鍼灸学会の学会員。ゆうすけは学会好き)。
そこで自称「学会通」、ハリトヒト。の代表 津田昌樹のもとへ、ツルタ・うらべ・ゆうすけが集まり、学会の「いろは」について、夜な夜な語り合いました。
※1 津田は現在(公社)全日本鍼灸学会の監事を務めております。元理事です。あくまでも自称「学会通」です。
※2 比較的、自由奔放に話しております。ご意見ご感想は多々あると思いますが、津田個人の意見、編集部の疑問として読んでいただけると幸いです。
※3 多くの学会がありますが、今回は「(公社)全日本鍼灸学会」について話をしています。
※4 座談会時の会場が暗かったため、別の日に津田のみを撮影しております。
ねぇねぇ、学会って楽しいよ。
津田先生
今日はよろしくね。なんでも聞いてね。ていうか、みんなは学会に行かないの?
ぶっちゃけ、学会には足が向いたことがないんです。もう臨床歴8年だけど。
ツルタ
津田先生
そういう鍼灸師さん多いんだよね~。すっごく楽しいのに。
日本で1番大きいのは全日本鍼灸学会学術大会ですか? 今年は名古屋って。
ウラベ
津田先生
そうだよ。5月10日から12日ね。
ぼく、「ハリトヒト。」がはじまるまで、「名古屋か、ふーん」くらいしか思わなくて(笑)。
ツルタ
津田先生
(笑)。ぼくは学会が好きだから、毎年楽しみにしてるんだよね。
そんなにいいんですか?
ウラベ
津田先生
うん、楽しいよ。ウキウキしちゃう。キミたちくらいの若い人にも入ってほしいんだけどなぁ〜。
学会ってなんですか?
いわゆる学会って、学術大会のことを話しているんですよね。
学会と学術大会がゴチャゴチャになっていました。
学会と学術大会がゴチャゴチャになっていました。
ウラベ
津田先生
そうそう。全日本鍼灸学会が1番力を入れているのが、年1回の学術大会ね。
それを「学会」って呼ぶことが多いね。
それを「学会」って呼ぶことが多いね。
ぼくね、津田先生の話を聞くにあたって、学術って何なんだろうって思って、辞書で調べてきたんですよ。
ツルタ
津田先生
おお、いいね。
学術って、「学問+技術」という意味なのかなーと思いました。
ツルタ
津田先生
うんうん。
ってことは、鍼灸の学術大会っていうのは、「学問と技術を追求する鍼灸師たちが集まるのか」と。
ツルタ
津田先生
うんうん。そうだね。そのとおりだと思うよ。
でも、学会という団体そのものや、学術大会というイベント自体が、実際に何を目指しているのかがわからなくて。
だから興味がわかないのかも。
だから興味がわかないのかも。
ツルタ
津田先生
じゃあ、まず「団体としての学会」の目的から話そうか。
ぜひお願いします。
ツルタ
学会の目的ってなんですか?
津田先生
学会の目的は3つあります。
1つ目は、「相互交流をする場の提供」ね。
学術大会のときは実際に会えるのよ、遠くに住む鍼灸師たちと。
鍼灸師が親交を深める場として機能していて、そのときに情報交換ができるの。
1つ目は、「相互交流をする場の提供」ね。
学術大会のときは実際に会えるのよ、遠くに住む鍼灸師たちと。
鍼灸師が親交を深める場として機能していて、そのときに情報交換ができるの。
2日目の夜に懇親会がありますもんね。
ゆうすけ
津田先生
そうそう。それが1番楽しみだったりして(笑)。
(笑)。
ゆうすけ
津田先生
で、2つ目は、「研究論文を出版物にする役割」を持っていること。
研究した内容を、全日本鍼灸学会の学会誌に、研究論文として載せるのね。
それは「正式な論文」として残るので、すごく意義があることだよね。
研究した内容を、全日本鍼灸学会の学会誌に、研究論文として載せるのね。
それは「正式な論文」として残るので、すごく意義があることだよね。
たしかに出版物になると、嬉しいですね。
ツルタ
津田先生
それから3つ目。
研究したことを臨床に結び付けて実践することで、「国民の健康に寄与する」ところまでが目的です。
研究したことを臨床に結び付けて実践することで、「国民の健康に寄与する」ところまでが目的です。
臨床に役立てるところまでがゴールなんですね。
ツルタ
津田先生
そうそう。全日本鍼灸学会は「公益社団」といって、「公益」、つまり「国民のためになること」を目的とする団体なのね。
「鍼灸師のため」だけではないんですね。
ウラベ
津田先生
そう。ちなみに全日本鍼灸学会は国内最大規模の鍼灸学会で、研究補助や認定システムの作成、外国の団体と連絡を取り合う役割もしています。
けっこう多いですね。
ツルタ
津田先生
何が大事って、鍼灸師みんなが、「自分たちの技術を前向きに活かそう」と、同じ方向をむく場所作りをしていることだと思ってるよ。
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