鍼灸学生にも、若手鍼灸師にもぜひ読んでいただきたい3冊をご紹介します。
せっかくなので、定番書から漫画まで振り幅を広げてみました(笑)。
(1) 和漢診療学 あたらしい漢方
(2) 昭和鍼灸の歳月 経絡治療への道
(3) 絶望に効く薬(全15巻)
和漢診療学 あたらしい漢方
■ 寺澤捷年(著) ■ 岩波新書(2015年) |
現在、日本の東洋医学界で論文投稿や講演など一番活躍されてらっしゃるお一人といっても過言でない、
寺澤先生の本を紹介したいと思います。
鍼灸関係者の人にとっては少し前になりますが、韓国ドラマ「チャングムの誓い」の東洋医学用語を監修された先生といえばおわかりなるでしょうか。
寺澤先生の書かれた本では、『漢方腹診考』(あかし出版/2016年)も素晴らしい本です。
鍼灸に目覚められた先生が東洋医学的腹候と背中の経穴との関連性を見出され、
胸脇苦満や心下痞、瘀血などが鍼によって解消される仕組みに新しい見方を提示されています。
今回おすすめする『和漢診療学』は岩波新書で出版されていること、それは専門家ではなく、
一般の人が読んでもわかるように書かれているため、鍼灸学生にも読みやすくわかりやすいと思います。
漢方でなく和漢という言葉をあえて作られた寺澤先生。
それは、西洋医学を無視するのではなく、漢方という軸を中心に東西医学両面、そして鍼灸も加え、「人間の体に何が起こっているのか」を多面的に考えていく学問にされています。
私たちが東洋医学の未来に向けて何をするべきか、先生が道を示してくださっています。