なんにも面白いことなんか喋られへん/鍼灸師:猪飼 祥夫

これから開業する人に、いつもしてる話、していい?

猪飼先生
猪飼先生
1つ載せてほしい話があるんやけどさ。これから開業する人に、いつもしてる話。
ぜひお願いします。
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
あのね、「患者が来ない」「患者がない」って、よく言ってるでしょ。
よく聞く悩みですね。
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
ところがね。1人の人間がね、たとえば新名(さまんさ)さんが、幼稚園、小学校、中学校、大学の友達、近所のおばちゃん、お母さんの兄弟…ずーーーーーっと自分の周りにいる人の名前を上げていくとね、「500人は名前があげられる」っていうのね。
1人の患者さんが来た。たとえば自分のお母さんの友達としよう。
その、たった1人の患者さんを治療してうまいこといったとするやろ?
そうするとね、そのお母さんの友達のうしろには500人の人がついていると考えられるんや。
つまり「新名さんは鍼灸上手やで」と伝えてくれる人が、500人はいるってこと。
そやろ? そしたらその人が紹介してくれた人がまた1人来たら、その人の後ろにも500人がついてるはずなんや。
そうすると「500人×500人×500人」。全部掛けたらなんぼや?
えーーーっと(笑)。
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
1億2500万人や(笑)。3人続くとね、日本中の人が患者になる。
だから、3人治療したら、日本人全部が患者になる可能性があるってことや。
だから、目の前の1人の患者をいかに大事にするか。それは開業した人に絶対言う。
その患者さんが自分を信頼してくれて、はりきゅうを続けてもらうように大事にせないかん。
それは先生が先輩からそう学んできたのですか?
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
いやいや、自分がそういう風に思ったんや。長いこと、商売やってきたから。
先生のオリジナルなんですね。
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
要するに基本が大事っていうことや。
うどん屋してて、天ぷらうどんやきつねうどんが美味くなかったらあかんのや。
サラダうどん、とかなんとか、変わったもんを作っても流行らへん。
ひとつの基本ができてないのに、変わったもんが盛りだくさんあっても…ね。
だから、基本が大事ってこと。
技術というより、患者さん大事に診るという気持ちが基本?
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
いやいや、それも大事や。技術もあっての話や(笑)。
技術もないのに、おべんちゃら(お世辞)ばっかり言うててもあかへん。
(笑)。
スキカラ
スキカラ

こんな面白い仕事ないで

最後にお聞きしたいのですが、先生は鍼灸のどんなところが好きですか?
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
これもいつも言うてるんやけどな、「鍼とお灸」って、ちゃんと名前がついてるけど、言うたら「ハリガネと枯草」やぞ(笑)。
「ハリガネと枯草」で病気が治るって考えたらさ、こんな面白い仕事ないやん。
金儲けをしたい人は、この仕事はあかんよ。違う仕事をした方がマシや(笑)。
でも、こんな面白い仕事はないで。金にはならんかもしれんけど。「ハリガネと枯草」やぞ。
メーカーさんに怒られますよ(笑)。
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
「ハリガネと枯草」でこんなに治るって信じられへん。
何回言うんですか(笑)。
でも、僕もこの仕事は面白いです。
スキカラ
スキカラ
猪飼先生
猪飼先生
ほんま、面白いなぁ。この仕事。
まぁ、また聞きたいことあったら聞きにきたらええやん。
それより、お灸しようや、お灸…。

■ 猪飼鍼灸 https://www.ikaiacu.com/

【記事担当】
取材・文=スキカラ
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