学会誌ってなんですか?
さっき、「研究論文を出版物にする役割」っておっしゃってましたが、全日本鍼灸学会の学会誌って、ぼくは見た記憶がないんですよね。
学会誌って売ってるんですか?
学会誌って売ってるんですか?
ツルタ
津田先生
ありゃ、それは鋭い質問ですね(汗)。
ツルタくんは学会に入会してないでしょ? 学会に入会してないと学会誌は届かないんです。
ツルタくんは学会に入会してないでしょ? 学会に入会してないと学会誌は届かないんです。
だから記憶になかったんですね。
ツルタ
津田先生
雑誌「医道の日本」などと違って、本屋さんには売ってませんし。
ほしかったら会員以外でも、学会事務局に連絡したら販売してくれるはずだけど、そこは要確認。
ほしかったら会員以外でも、学会事務局に連絡したら販売してくれるはずだけど、そこは要確認。
よっぽど意識が高くないと、手に入らないんですね。
ツルタ
津田先生
そうだね。学術論文は、基本的には情報をほしい人が探すものっていう習慣になってますね。
なので、こちら側から広げる活動はあまりしてないかな。
なので、こちら側から広げる活動はあまりしてないかな。
やっぱり。
ツルタ
津田先生
みなさんに広く読んでいただくに越したことはないんですけどね。
ちなみに優れた論文だと研究者の間で引用されるので、自然と広まって自ずと重要な論文になるんですよ。
ちなみに優れた論文だと研究者の間で引用されるので、自然と広まって自ずと重要な論文になるんですよ。
でも、手に入らないのでは、意味がないんじゃないですか?
ツルタ
津田先生
論文を知りたいときは、日本の学術論文だと「J-stage」や、鍼灸専門の「JACLiD」、英文であれば「pubmed」というサイトで検索できます。
ぼくもたまに検索しますけど、それでよかったんですね。
基本的には、論文に興味を持ったときは、こういった無料で検索できるサイトを参考にすればいい、ということか。
基本的には、論文に興味を持ったときは、こういった無料で検索できるサイトを参考にすればいい、ということか。
ツルタ
津田先生
そうだね。で、学会に入って、ぜひ学会誌を読んでほしいね。学会誌には学会誌の良さがあるからさ…。
学会発表を聞く意義ってなんですか?
他にも学会のよいところがあれば教えてほしいです。
ウラベ
津田先生
そうだね〜。たとえばさ、今はどんな分野でも、技術がすごく進んでるから、トレンドがコロコロ変わるじゃん。
流行りや、最新情報ですか?
ウラベ
津田先生
そうそう。それ。
学会は鍼灸師が「鍼灸業界の最新情報」、つまり「新鮮なネタ」を仕入れに行くところと思ってくれたらうれしいな。
学会は鍼灸師が「鍼灸業界の最新情報」、つまり「新鮮なネタ」を仕入れに行くところと思ってくれたらうれしいな。
なるほど。
ツルタ
津田先生
もちろん鍼灸だから、昔から積み重ねてきた伝統を重んじる姿勢も大切だけどね。
でもやっぱり最新の情報ってあるのよ。1回の学会に、1つや2つ、必ず良いネタがある。
ほら、下手な寿司屋でも、「新鮮ゆえに美味い」ってあるじゃん?
でもやっぱり最新の情報ってあるのよ。1回の学会に、1つや2つ、必ず良いネタがある。
ほら、下手な寿司屋でも、「新鮮ゆえに美味い」ってあるじゃん?
なんですか、突然。
ツルタ
津田先生
「ネタの仕入れがよければ、下手な寿司屋でも美味くなる」ってことがあるのよ。
ちょっと意味が…。
編集部
津田先生
ごめん、うまく言えなかった(笑)。
まあでも、たしかに、そういう最新情報って、1人で鍼灸院をしていると、なかなか得られないですね。
ツルタ
津田先生
そうなの。新しい情報を仕入れる作業を10年積み重ねたら、どうなると思う?
結構な数になりますよね。
つまり、それだけ治せなかった疾患が治せるようになっていたり、鍼灸に対する理解が深まったりしているわけです。
結構な数になりますよね。
つまり、それだけ治せなかった疾患が治せるようになっていたり、鍼灸に対する理解が深まったりしているわけです。
逆に、なんの情報も得ようとしないまま、10年、20年、臨床家を名乗るのはちょっと抵抗がありますね。
ツルタ
津田先生
でしょ? あとね、現代医学のトレンドは、もっと変化が大きい。
どんなに鍼灸師として腕が良くても、古い概念で話をしていると、医師や情報に強い患者さんから信頼されなくなります。
どんなに鍼灸師として腕が良くても、古い概念で話をしていると、医師や情報に強い患者さんから信頼されなくなります。
鍼灸師ってそういう情報に鈍感なところがあるかもしれないですね。
ゆうすけ
津田先生
現在の鍼灸が、広い世の中でどういう立ち位置なのかを知らないと、時代に乗り遅れてしまう。
それくらいの危機感を持って、学会には来てほしいですね。
それくらいの危機感を持って、学会には来てほしいですね。
津田流(?)学会の歩き方
津田先生
あとね、学会ってさ、コスパが高いと思ってるんだよ。
どういうことですか?
ウラベ
津田先生
だってさ、事前申し込みした会員なら、12,000円で3日間、いろんな先生の話を聞き放題なんだよ。
大会を通して、何演題くらい聞けるんですか?
ツルタ
津田先生
3日間の会期中に10演題くらいかな? もっと多い人もいるけど。
たとえば10演題を聞いたとしたら、1演題につき1,200円じゃん。
もちろん交通費や宿泊費は別途必要だけど、終わってから繁華街で遊べば、旅行気分も味わえちゃうし(笑)。
たとえば10演題を聞いたとしたら、1演題につき1,200円じゃん。
もちろん交通費や宿泊費は別途必要だけど、終わってから繁華街で遊べば、旅行気分も味わえちゃうし(笑)。
そう考えると安い(笑)。
ウラベ
津田先生
あとさ、鍼灸院をやってると患者さんに「土日は休みます」ってなかなか言いにくいけど、学会だったら「学会があるので休みます」って言えるでしょ(笑)。
「学会があるので休みます」って言ってみたい(笑)。
ウラベ
予約が取れなくて患者さんに迷惑をかけるのに、逆に尊敬されそうな気がする(笑)。
ツルタ
患者さんのなかで「ちゃんと勉強している鍼灸師」っていうイメージがうまれそうですよね。
ウラベ
津田先生
あはは、いいね。そういうのが動機でも歓迎するよ(笑)。
ほかに学術大会に参加するときのポイントってありますか? 注意点というか。
どう回っていいのかイメージがわかなくて。
どう回っていいのかイメージがわかなくて。
ウラベ
津田先生
講演の数が多くて、いくつも会場があるんだよね。
だから、事前に送られてくる抄録(しょうろく)や、公式サイトに掲載されているプログラムを熟読して、どの時間帯にどこの会場に行くか、事前に決めておくことを勧めます。
だから、事前に送られてくる抄録(しょうろく)や、公式サイトに掲載されているプログラムを熟読して、どの時間帯にどこの会場に行くか、事前に決めておくことを勧めます。
たくさんの会場で、同時並行で講演があるんですね。ってことは、全部は聞けないのか…。
ツルタ
津田先生
そう。だから、聞きたい講演の時間がかぶると、すごく悔しい気持ちになるんだよ(笑)。
事前にスケジュールを決めておくことが大事、と。
ウラベ
旅行の前に、「どこで何を食べようかな」って決めておくみたいなもんですね(笑)。
ツルタ
津田先生
そうそう(笑)。だから、ガイドブックとして事前に配られる抄録を、よく読むことをお勧めするね。
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