2019年の3月15日と3月20日に公開し、多くの方から反響をいただいた「津田先生、学会ってなんですか?」(前後編)。
ハリトヒト。編集部は、この記事をリリースした責任を感じ(笑)、ほとんどのメンバーが先日行われた「全日本鍼灸学会 愛知大会」に出席しました。
最終日の夜、名古屋駅前のアイリッシュパブに集まり、実際に参加した「学会」をフィードバック!
その話をもとに、ネット上での編集会議で津田先生のご意見をいただき、座談会形式の記事を作成しました。
この座談会記事は、フィードバックや編集会議の内容を元に、多少の編集を加えた「フィクション」となっております。
また、各メンバーが自由すぎて、学会の会場で全員集合しなかったため、パブでの写真しか集合写真がありません。
諸々ご了承くださいませ。
※ 編集時はシラフです。念のため。
(撮影地協力:Peat IRISH TAVERN)
学会に行ってきました!
シンタロー
学会終わったね―。
津田先生
みんなおつかれさま。ありがとうね。
ハリトヒト。メンバーはうち、ウラベ、ツルタ、シンタロー、ゆうすけが参加で。
「津田先生、学会ってなんですか?」という記事を書いちゃったから、我々も行かなきゃね、って感じで参加したメンバーもちらほら(笑)。
「津田先生、学会ってなんですか?」という記事を書いちゃったから、我々も行かなきゃね、って感じで参加したメンバーもちらほら(笑)。
さまんさ
ツルタ
ぼく、それね(笑)。
わたしも(笑)。
ウラベ
シンタロー
おれは今まで土曜に院を休むことがなかなかできなかったんだけど、ハリトヒト。のおかげで踏ん切りがついた(笑)。
「ハリトヒト。で学会の話をしたい!」って言い出したのうちやんな。みんなゴメン(汗)。
うちは学会の会員でもあるし、去年の秋頃から津田先生に洗脳されてたから、行く気まんまんやったけど(笑)。
うちは学会の会員でもあるし、去年の秋頃から津田先生に洗脳されてたから、行く気まんまんやったけど(笑)。
さまんさ
津田先生
あはは。洗脳って! 人聞き悪いな〜。
ゆうすけ
ぼくは例年通り、鍼灸師の父(金井 正博氏)と一緒に参加しました。
父と同僚のポスター発表があったので、そのサポートとしてという意味も大きかったです。
父と同僚のポスター発表があったので、そのサポートとしてという意味も大きかったです。
津田先生
お父さん、発表してたね!
ゆうすけ
ポスター作成や発表準備も一緒におこなっていたので、みなさんみたいに純粋に「聞く側」というよりも「発表者側」にも近い面があったなぁと思います。
自分自身は発表してないけど(笑)。
自分自身は発表してないけど(笑)。
お父さんが発表する側にいらっしゃる、ゆうさんならではの参加の形だね。
さまんさ
シンタロー
「ハリトヒト。を読んで、学会に行くことにした!」という声もけっこうあったね。
そうねー。SNSで見かけてうれしかった♡
津田先生の「学会愛」に感化されて、学会に行くことにした方々の感想はどうやったんかな?
いいことを書いてくれてる人はチラホラいたけど、内心どうなんか、気になってる(笑)。
津田先生の「学会愛」に感化されて、学会に行くことにした方々の感想はどうやったんかな?
いいことを書いてくれてる人はチラホラいたけど、内心どうなんか、気になってる(笑)。
さまんさ
ツルタ
けっこう辛辣な意見もあったよ。
前に教えてくれた人だよね? この人好きだな、と思った!
ここでは書かないけど(笑)。
ここでは書かないけど(笑)。
さまんさ
シンタロー
とりあえず初参加メンバーが多かったハリトヒト。編集部で、どういう印象だったかをシェアしよう。
初めての学会、なにをチョイスした?
今回ハリトヒト。は学会に許可をいただいて、「PRESS」の腕章を持って会場入りしてたんだけど、取材の方針は固めてなくて。
うちが「取材しなくちゃ、と気負わずに、好きな演題を聞こうよ」って言うたのよね。
うちが「取材しなくちゃ、と気負わずに、好きな演題を聞こうよ」って言うたのよね。
さまんさ
シンタロー
そうそう。もっと参加者や登壇者に取材するのかと思ってたんだけど。
それも興味はあったんやけど、初めて参加するみんなが、「学会そのものを個人としてどう感じるか」に興味があったのよね。
だって、ハリトヒト。メンバーは、普段臨床をしている鍼灸師として、お金を払って参加してるんやもん。
みんなの意見=参加者の意見のひとつやん?
学会で印象に残ったシーンを撮影させていただきながら、思ったことや感じたことを素直にレポートできればいいな、と思ったねん。
だって、ハリトヒト。メンバーは、普段臨床をしている鍼灸師として、お金を払って参加してるんやもん。
みんなの意見=参加者の意見のひとつやん?
学会で印象に残ったシーンを撮影させていただきながら、思ったことや感じたことを素直にレポートできればいいな、と思ったねん。
さまんさ
さまんさが「好きな演題を選んで、自由に過ごしてください。学会が終わったらレポートしてください」って言ってから、メンバーそれぞれの趣味趣向が出たのが面白かったね。
ウラベ
そうそう。とくにツルさん(笑)。
さまんさ
ツルタ
速攻で「1日中ポスター前にいるわ」って宣言した(笑)。
うち、1日中おるという発想はなかったわ(笑)。
さまんさ
わたしは「AcuPOPJ(アキュポップジェイ)」の元受講者だから、報告会には絶対行くって伝えた。
ウラベ
「AcuPOPJ宣言」も早かったですよね。
愛を感じた♡
愛を感じた♡
さまんさ
ゆうすけ
ぼくはシンポジウムやポスター、いろいろ混ぜて聞いてましたね。
シンタロー
おれはちょうど自分の患者さんに当てはまる内容の演題があったから、それを聞きにいった。
チェックした演題を聞きつつ、東鍼会(東京都鍼灸師会)としての挨拶まわりをしてた。
チェックした演題を聞きつつ、東鍼会(東京都鍼灸師会)としての挨拶まわりをしてた。
業団活動ねー。
さまんさ
シンタロー
他の地域の鍼灸師会や業界団体関係の先生から、いろいろとお話を聞けたのは貴重だったな。
北海道や九州の先生なんて、普段はお会いできないから。
北海道や九州の先生なんて、普段はお会いできないから。
うちは鍼灸師2年目やし、知らないことがいっぱいあるから、全部聞きたかった〜。
リストを見てみると、シンポジウムやフォーラムが多いかな。
有名な先生が座長をしてはる演題は、その先生の顔が見たくて行った。ミーハー(笑)。
リストを見てみると、シンポジウムやフォーラムが多いかな。
有名な先生が座長をしてはる演題は、その先生の顔が見たくて行った。ミーハー(笑)。
さまんさ
シンタロー
おれもポスター発表の「自覚的な胃の調子と膝蓋骨の圧痛との関連について」は篠原昭二先生が目的(笑)。
我ながらミーハーとは思ったけど、読んだ本の著者に会えるのは嬉しいよね。
我ながらミーハーとは思ったけど、読んだ本の著者に会えるのは嬉しいよね。
「どの演題を聞くか」「どういったものをチョイスするか」は、すごく個人の個性に関係してるよね。
ウラベ
そうそう。ミーハーなのもあるけど、自分のチョイスした演題のリストを見て、うちは「オカン」属性なんやなと思って。
2日目の「発達障害」と「保健体育」は完全に6歳娘のオカンとして選んでる。
2日目の「発達障害」と「保健体育」は完全に6歳娘のオカンとして選んでる。
さまんさ
わたしも子育て中だから「発達障害」は聞こうと思った。すごくいい内容だったし満足。
ウラベ
(フォーラム2『お母さんの味方〜発達障害にどう関わるか〜』)
その母親という属性の中で、鍼灸師として、健康産業の一員として、患者さんとどう向き合うかを考えられて、いい機会だったなーと。
自分の属性の範囲を超えて聞くよりも、自分の属性の範囲の興味の中で聞くほうが、専門用語が多くてもすんなりと内容が入ってきやすいという印象だった。
「保健体育」は、前回の「学会ってなんですか?」の記事で触れた「LGBT」だけじゃなくて、「LGBT”Q”」についても語られていて、個人的にもすごく好きな演題だった。
自分の属性の範囲を超えて聞くよりも、自分の属性の範囲の興味の中で聞くほうが、専門用語が多くてもすんなりと内容が入ってきやすいという印象だった。
「保健体育」は、前回の「学会ってなんですか?」の記事で触れた「LGBT」だけじゃなくて、「LGBT”Q”」についても語られていて、個人的にもすごく好きな演題だった。
さまんさ
(市民公開講座『保健体育のおさらい〜あなたの性を生きていますか?〜』)
津田先生
チョイスの仕方の話、すごく面白いなぁ。
どういうことですか?
さまんさ
津田先生
いや、ぼくみたいに何年も学会に参加していると、自分の興味のある分野って、ひと通り聞いてしまっているから、だんだん新鮮味がなくなってくるんだよね。
うんうん。
さまんさ
津田先生
だから、最近は、全然興味がない分野をあえて聞きに行ったりするの。
そうするとさ、感性が全然違う人の切り口だから、すごく新鮮なんだよ。
「なんでこんな研究してるんだろ、この人?」みたいな(笑)。
そうするとさ、感性が全然違う人の切り口だから、すごく新鮮なんだよ。
「なんでこんな研究してるんだろ、この人?」みたいな(笑)。
あー、なるほど。1周まわるとそんな感じになるのかも(笑)。
さまんさ
津田先生
ずっと学会の内部にいるとさ、若い子とこうやって話す機会がなくなるから。
とくにはじめての人の率直な感想は、なかなか聞けないし、面白いよ。
どうしても忖度が入っちゃうからね。
とくにはじめての人の率直な感想は、なかなか聞けないし、面白いよ。
どうしても忖度が入っちゃうからね。
じゃあ、もっとざっくばらんにお話しますね(笑)。
さまんさ
津田先生
あはは。うん、よろしく(笑)。
あと、学会はいろんな企業さんが出展されているのも楽しいね。
いつも臨床でお世話になってるメーカーさんや小売り業者さんがいらっしゃって、ご挨拶できた!
いつも臨床でお世話になってるメーカーさんや小売り業者さんがいらっしゃって、ご挨拶できた!
ウラベ
(イベントホール 業者展示)
ツルタ
ハリトヒト。のことを知ってくださっている企業さんもあったよね。
シンタロー
鍼灸師の方々だけじゃなく、営業の方たちが「ハリトヒト。読んでます!」って言ってくださったのがうれしかった。
そうそう〜。読者が「鍼灸師だけ」じゃなくて、鍼灸業界に届いてる感じがしたね。
ウラベ
シンタロー
この写真のさまんさ、お祭り気分じゃん(笑)。
お祭り気分も味わえるのが学会ちゃうのん(笑)?
さまんさ
シンポジウムやフォーラム、教育講演ってどうだった?
津田先生
さまんさはシンポジウムやフォーラムを聞いてみてどうだった?
面白かったですよ〜。
さまんさ
シンタロー
何を聞きにいったの?
シンポジウムだと「泌尿器疾患」「皮膚」かな。教育講演だと「膠原病」「更年期」。
その他「発達障害」や「保健体育」でしょ、「女性アスリートのコンディショニング」。
あとランチョンセミナーはセイリンさんの「レディース鍼灸」!
その他「発達障害」や「保健体育」でしょ、「女性アスリートのコンディショニング」。
あとランチョンセミナーはセイリンさんの「レディース鍼灸」!
さまんさ
(セイリン(株)主催 ランチョンセミナー ※企業からお弁当が提供されるセミナー
『”女性が輝く社会”に鍼灸は貢献できるのか -レディース鍼灸の研究の現状と課題』)
シンタロー
スケジュール、ぎっしりだね(笑)。
うん。ツルさんと京都の樽井智彦先生と、3人でかき氷を食べに行ったのが、唯一の休憩(笑)。
さまんさ
(金山駅前の「活創庵」にて)
ツルタ
美味しかったね(笑)。
うん。めちゃ美味しかった(笑)。
さまんさ
シンタロー
良かったね(笑)。
振り返ると「The 女性のミカタ」という感じの内容かな。興味のまま回ったらこうなった。
人が多すぎて、断念したフォーラムもあったぁ。
次は鍼灸臨床研究トレーニング(SMART)にも事前登録したい!
人が多すぎて、断念したフォーラムもあったぁ。
次は鍼灸臨床研究トレーニング(SMART)にも事前登録したい!
さまんさ
津田先生
SMARTは、若手の研究者がファシリテーターをしているから、ぜひ参加してみてほしいよ。
人気の演題は、大きい会場でも立ち見が出てたね。
人気の演題は、大きい会場でも立ち見が出てたね。
ちなみにうちが参加したシンポジウムは医師や専門家の方が、はじめに話すパターンが多くて。
各症状の各論(基本的な症状・治療法・予後など)が画像やデータ付きで解説されるから、国家試験の勉強より専門的やったし、忘れてたことを思い出すきっかけにもなった。
各症状の各論(基本的な症状・治療法・予後など)が画像やデータ付きで解説されるから、国家試験の勉強より専門的やったし、忘れてたことを思い出すきっかけにもなった。
さまんさ
津田先生
うんうん。
あと、最新の治療法や薬が知れるのはかなりうれしいかな〜。
「泌尿器疾患」は、鍼灸の適応の範囲が具体的でめちゃ勉強になったし、もっと知りたいと思ったよ。
「泌尿器疾患」は、鍼灸の適応の範囲が具体的でめちゃ勉強になったし、もっと知りたいと思ったよ。
さまんさ
(シンポジウム4『女性泌尿器疾患へのアプローチ』)
ツルタ
そういう内容は学会以外、例えば医師のセミナーとかでも聞ける気がするんよね。
うーん、そこは否めないね(笑)。
でも、やっぱり医師や専門家が普段おこなってるセミナーに鍼灸師が行くのは、地方に住んでいるとなかなか機会がないし、行く勇気が必要かな。
「鍼灸学会」という名のもとに、鍼灸師のために医師や専門家が集まってお話してくださるのを聞けるのはありがたいし、その上、その疾患を専門的に研究している鍼灸師の臨床結果や研究内容を聞けるし、これから何を専門に勉強しようかな〜と考えてる人にとっては良いと思うよ。
でも、やっぱり医師や専門家が普段おこなってるセミナーに鍼灸師が行くのは、地方に住んでいるとなかなか機会がないし、行く勇気が必要かな。
「鍼灸学会」という名のもとに、鍼灸師のために医師や専門家が集まってお話してくださるのを聞けるのはありがたいし、その上、その疾患を専門的に研究している鍼灸師の臨床結果や研究内容を聞けるし、これから何を専門に勉強しようかな〜と考えてる人にとっては良いと思うよ。
さまんさ
ツルタ
まぁね。
7講演+α聞いたから、参加費12,000円で割ると、1つの講演が2,000円弱で聞けてるからね。
お得やで(笑)。
お得やで(笑)。
さまんさ
ツルタ
(笑)。
いろいろ聞いたうえで、「これからもっと膠原病の治療を専門的に勉強してみたいなぁ」と思ったし、「尿もれのアプローチは鍼灸と行動療法のいずれもできないといけないから、このまま運動指導も一緒にがんばろう」と思えたのは収穫かなぁ(さまんさはピラティスインストラクターでもある)。
さまんさ
(教育講演4「『性差から見た膠原病への理解』)
津田先生
そうだね。ああいう大きな会場のシンポジウムは、医師と臨床家の意見を交えて聞けるというのがポイントで、情報として幅広いし、即使えるんだよね。
シンタロー
おれもそういうところがあるなー。
研究者が時間をかけて培ってきた研究成果の内容を、患者さんに説明するときに活かしたいと思った。
研究者が時間をかけて培ってきた研究成果の内容を、患者さんに説明するときに活かしたいと思った。
津田先生
うんうん、研究者はそれを望んでるんだよね。
自分の研究内容が臨床の現場に広がるのが理想なんだよ。
自分の研究内容が臨床の現場に広がるのが理想なんだよ。
シンタロー
思った以上に知らないことが多くて、勉強をもっとしないといけないなと。
自分に対して危機感を覚えたかな(汗)。
自分に対して危機感を覚えたかな(汗)。
ハリトヒト。のキャッチコピー『「知らない」と気付いた。それは「知りたい」のはじまり』のとおりですな(笑)。
さまんさ
シンタロー
あはは。そうだね。
発表者の方たちって、みんな鍼灸への愛が深くてさ。その姿がいちばん印象に残ったかな。
発表者の方たちって、みんな鍼灸への愛が深くてさ。その姿がいちばん印象に残ったかな。