教員養成の学費は高い? 安い?
資格を取っても鍼灸業界を離れる方って結構多いと思うんです。でも教員養成科を出ると業界に残る方が多いのは、何が理由なのか気になります。
タキザワ
中村先生
いくつか理由があると思うんですけど、その学生の興味に応じて、きちんとしたスキルを身に付けられるからだと思います。あとは卒前教育に加えて時間とお金を投資していますから、それを回収しようと目標に向かって必死に頑張るからかもしれません。
お話を聞く限り、スキルが身に付く環境が整っていることがよく分かります。
タキザワ
中村先生
もともと「俺、教員なんかにならないよ」っていう人も、自分ができるようになってきたら意識が変わることもあります。できるようになると、それを誰かに伝えたくなりますからね。
学費って今2年間でどれくらいなんですか。
ツルタ
中村先生
入学金が条件によって変わりますが、学費は2年間で約280万円ですね。1年間でだいたい140万円。
結局それだけの勉強をしようと思ったら個人でやるのは難しいだろうし、良心的な設定なのでしょうね。セミナージプシーになったり、そもそも質の担保がないものにお金と時間をかけるのは合理的ではないので…。しかも、教員養成科は働きながら通えるんですよね。
ツルタ
中村先生
平日は4時40分に臨床実習が終わるので、それ以降と土日はフルでお休みです。だいたい7割ぐらいは働きながら通っていました。あとは、雇用保険の被保険者となっている職場で3年以上勤めたあとに進学していただくと、教育訓練給付金が支給されるケースもあります。
3年間実務経験を積んでからっていうのもいいですね。
ツルタ
中村先生
すでに多店舗展開している経営者として活躍しながら、進学された学生もいました。ここで学んだことを自分の店舗で教えて、治療の幅を広げているという卒業生もいましたね。
一番の魅力は「一生涯の仲間ができること」
一方で、鍼灸師は稼げないとか、ネガティブなイメージを持つ学生も多いのではないでしょうか。
ゆうすけ
中村先生
鍼灸業界も規制緩和で競争が激化しているので、もちろんネガティブな意見も頷けます。でも教員養成科の学生からはあまり聞いたことないです。
今、鍼灸師は食えないと言っているのは敗者の声で、勝者になっている人の声が届いていないのかもしれません。きちんとした教育を施せば開業もできます。いろんな卒業生がいますけど、開業して継続しているケースが多いですね。この業界のさまざまな領域で頑張っている卒業生は僕の財産だと思っています。
今、鍼灸師は食えないと言っているのは敗者の声で、勝者になっている人の声が届いていないのかもしれません。きちんとした教育を施せば開業もできます。いろんな卒業生がいますけど、開業して継続しているケースが多いですね。この業界のさまざまな領域で頑張っている卒業生は僕の財産だと思っています。
すごく勇気が出るお話だと思います。中村先生が考える教員養成科の魅力ってどんなところなのでしょうか。
ゆうすけ
中村先生
教員養成科の魅力は、一生涯の仲間です。北は北海道から南は九州、沖縄まで色んな地域や学校から、いろんな目的で老若男女が集まってきます。この仕事を本気で考えている人たちばかりなので、一生付き合える友達になれるというか。
一人で開業したら孤独を感じる場面もあると思うので、仲間の存在は大きいと思います。
ゆうすけ
中村先生
それから村居先生は「教員養成科は駆け込み寺でもある」って言っていました。要するに、年齢条件などで雇ってもらえないって人たちを育てるシステムにもなっているわけです。
それは、知られざる教員養成科の魅力の1つですね。鍼灸の世界で何か壁にぶつかったとき、リスタートを切れる場所のように感じました。
ゆうすけ
中村先生
教員養成科では、10年分の修業を2年で身につけることを目指しています。時間はとても大切で、教員養成科に長年携わっているとそのことを実感します。
自分のやりたいことをやって、それが上手くいったらそれに越したことはないです。でも頑張っても上手くいかなかった時には、何でもいいから別のアプローチをしてみることが大切だと思います。鍼灸の道でしたら、教員養成科という選択肢もあることを知ってほしいですね。
自分のやりたいことをやって、それが上手くいったらそれに越したことはないです。でも頑張っても上手くいかなかった時には、何でもいいから別のアプローチをしてみることが大切だと思います。鍼灸の道でしたら、教員養成科という選択肢もあることを知ってほしいですね。
撮影協力:東京医療専門学校
【記事担当】
取材 = ゆうすけ・タキザワ・ツルタ
撮影 = ツルタ
文 = なるみさわ
編集 = くちやまだ
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