身体はトラウマを記録する
■ ベッセル・バン・デア・コーク(著) ■ 紀伊国屋書店(2016年) |
認知心理学の研究者である友人から紹介され、分厚いことを理由に1年以上放置していたのですが、いざ開いてみたら付箋だらけに。
トラウマの治療に関する解説書であり、さまざまな治療法の紹介の中には鍼灸に触れた箇所もあります。
ただ何より、脳科学の知見やトラウマの種類(虐待や災害など)による症状の特徴といった学術的な内容が並ぶ中に、
リルケの詩が引用されていたり、セラピストとしての態度を反省させられるような鋭い指摘が含まれていたり、
単なる解説書にとどまらない、著者の臨床観がはっきりと伝わってくる画期的な本と思います。