津田先生、学会ってなんですか?【後編】/ハリトヒト。番外編

ほんとに交流ってできるんですか?

学会の目的が「相互交流」、「懇親会」も含まれるって、先ほどからおっしゃってますよね。
響きはいいですけど、鍼灸師ってキャリアや立場を超えて、親交を深めるなんてできるんですかね?
ぼくのようなどこにも所属していない人間や若手は、懇親会って行きづらいんじゃないですか。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
そう?
なんとなく知らないおじさんに説教されるようなイメージがあるんですよね(笑)。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
あはは。ぼくも昔は同じことを考えていたよ(笑)。
でもさ、普段、同じ趣味趣向の人と飲み会に行ったりするでしょ? あれと一緒だよ。
鍼灸治療が趣味の人たちの、でっかい飲み会だと考えれば(笑)。
んー、世代を超えた鍼灸師飲み会ってことか。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
そんな感じ。もうね、いまどき、説教する人なんていませんよ。
気になる人や隣り合わせになった方に、自分から名刺を渡して、話してみたらいいと思います。
みんな鍼灸が好きだからね。
懇親会で先生たちに話しかけていいんですか?
ウラベ
ウラベ
津田先生
津田先生
特別講演や教育講演の先生、シンポジストの先生はだいたい参加されるので、講演で興味を持った先生に、質問や感想などがあれば、直接聞いたり伝えたりするチャンスだよ。
みんな、基本的に自分の専門分野の話は聞かれると嬉しいからね。
んー、でも懇親会はかなりハードルが高いですよね。行きづらいなぁ。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
特に、懇親会が初めてのときは、友達を誘って行くといいかな。
ポツンとひとりぼっちになったらつまらないし。
友達…来るかな(笑)。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
あと、名刺を持っていくのは基本ですね。
学生さんでも、名刺を作って名前を覚えてもらうといいと思います。
以前、こういった会がきっかけで進路が決まった学生もいましたよ。
直接アピールするチャンスなんですね。
ゆうすけ
ゆうすけ
津田先生
津田先生
万が一誰とも話せなくっても、食べ放題・飲み放題なので、会費分は楽しんでいってね(笑)。
あ、そうなんだ。でも、ひつまぶしや手羽先も食べたいな(笑)。
ツルタ
ツルタ

学会ってヒエラルキーはないんですか?

でもね、先生。学会でのヒエラルキーって、ほんとにないんですか?
学会の内容の話を聞いても、懇親会のお話を聞いても、やっぱり疑問を感じちゃいますよ。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
基本的には「学会=地位の関係ない場所」だと思ってほしいな。そりゃ、人によるけどさ。
学会の発表の場では、良いデータを持っていて、正しいことを言ったほうが勝ち。
参加している人もそういう認識なので、僕は学会を「ヒエラルキーのない相互研鑽」の場所だと思っています。
ヒエラルキーを超えて議論ができるっていうことですか?
ゆうすけ
ゆうすけ
津田先生
津田先生
そう。もし、例えば新卒の人が、ぼくにデータを持ってきて「先生、それは違う。こうするべきです。」と言うとするじゃない?
もし、それが正しかったら、「そうだね。」って認めるしかないです。
参加者は「事実を受け入れる気質」があるので、ぼくは学会を気持ちの良い場だと思っています。
ヒエラルキーがないのは意外だなぁ…(疑いの目)。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
懇親会でも、講演者と一般参加者の間にヒエラルキーはないよ。
みんな同じ鍼灸師だもん。少なくとも、ぼくはそう願っているよ。

学会の現状ってどうなんですか?

ちなみに(公社)全日本鍼灸学会って、国内最大規模なのに、正会員が3000人くらいですよね。
これ、少ないですよね? 学術への関心の低さを表してますよね?
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
ははは。そこまで調べたの? ツルタくん、めっちゃ興味あるんじゃん(笑)。
そんなことないですよ(冷)。
正直、ぼくらみたいな一般の鍼灸師と学会の間に溝があることを表していると思うんですよ。
で、この溝ってなんだろうなって。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
ほんとにね、なんでなんでしょうかね…。
ぼくは少しでもその溝を埋めたいと思って、こうやってお話してるのかもね。
ぼく、津田先生と知り合っていなかったら、こんなふうに、夜な夜な学会について語ったりしませんもん(笑)。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
お、珍しくやさしい発言だ(笑)。
ん〜。敷居の高いところって思われているんですかねぇ。
…ちなみにツルタくん、バーに行く?
これからですか?
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
じゃなくって、行ったことある?
まぁ、ありますけど。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
初めて行くとき、敷居高くなかった?
そうですね。お酒のことを知っていないと馬鹿にされるかと思って緊張しました。
でも入ってみたら、そうでもなくって。けっこう心地いいですよね。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
それと同じ。学会に1度行ってみて、慣れてしまえばなんともなくなるよ。
学会に行くことや、学会員になることに対する敷居や溝は感じなくなるんじゃないかな。
ですかねぇ…。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
よし、みんな。今年の愛知大会、一緒に行こうよ。
事前登録は3月22日まで、事前登録すると少し安くなるしさ。
えっと…。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
面白いよ。
考えときます。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
冷たいね(泣)。
ちなみに団体としての学会の年会費はおいくらですか?
ウラベ
ウラベ
津田先生
津田先生
鍼灸師は入会金が10,000円、別途、年間に10,000円です。
へぇ。
ウラベ
ウラベ
津田先生
津田先生
学生ならもっと安いね。学生は入会金免除で、年会費は5,000円。
年間をとおして学術雑誌が届くから、高い金額ではないと思うよ。
あと、会員は学術大会の参加費が、一般参加者より2,000円から最大4,000円優遇されます。
まぁ、イメージよりは安い気がする…かな。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
でしょ? あと、すごく大事な話なんだけど、今は会員が少なくてお金が足りない状況なんですよね。
そのために、学術助成ができていない。学会員が増えて会費が増えると、学術的な活動がしやすくなります。
というと?
ゆうすけ
ゆうすけ
津田先生
津田先生
もし会員になる鍼灸師が増えるとするでしょ?
そうすると予算が増えて、研究に対してお金をかけられるようになるの。
みなさんの年会費が、将来の鍼灸の研究分野を支えることになります。
えっ? じゃあ、いまの研究費ってどうなってるんですか?
日本鍼灸がやばいイメージしかない(笑)。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
はは(笑)。そこ、気になるよね。
アメリカをはじめとした欧米諸国や中国は、研究予算があるイメージなんですけど、日本は予算がないってことでしょ?
鍼灸の研究って、いまどこが最先端なんですか?
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
日本の鍼灸の研究費は、国やその他の財団の研究費助成に頼っていることが多いんですけど、年々研究費は得にくくなっている印象です。
反対に、欧米諸国や中国の研究費は格段に多いですよ。
そのため、今の鍼灸研究は、大規模な臨床試験では、欧米諸国と中国が優勢ですね。
やっぱりそうなんだ。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
お金のかかる研究は、おのずと研究費が潤沢にある国が先端になっていきますよ。
中国の研究も、以前より信頼感がありますしね。
うんうん。
ウラベ
ウラベ
津田先生
津田先生
でも、これまでの日本の研究は、特に基礎研究が優れた成果を出してきました。
それには自信を持ちつつ、新たな成果を期待したいね。
日本独自の「鍼灸の手法」についての整理と位置付けを、急いで進めたいですね。
学会員がどんどん減って、自分たちの業界の最新の研究が進まなくなると困るな。
ツルタ
ツルタ
津田先生
津田先生
そうなんだよ。だから、みんなに入ってもらって、みんなにその恩恵を受けてほしいんだよね。

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  6. で、学会ってどうだった?/ハリトヒト。編集部