鍼灸の技術に関する本や、名人たちによる本など、明日すぐに役立つ本を期待していたのなら申し訳ありません。
私は、何より「考える」「気づく」ことが重要だと思っています。
なるべく偏りのない、そして、科学的思考で書かれているけれど、鍼灸医学とどこかつながる本を紹介したいと思います。
「あの本読んだ?」
「あそこは○○だと私は思うけどどう思う?」
なんて会話を、鍼灸師でする日がきたらいいなって…
(1) 新版 動的平衡: 生命はなぜそこに宿るのか
(2) 入門『地頭力を鍛える』 32のキーワードで学ぶ思考法
(3) 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
(4) 閃めく経絡
新版 動的平衡: 生命はなぜそこに宿るのか
■ 福岡 伸一 (著) ■ 小学館新書 (2017年) |
超一流大学の生物学者であった著者は、突如、文系学部の教授へと転身しました。
そして、生命の定義に動的平衡という概念を提示します。現在の、実験医学、現代科学の視点に欠けているものを、分かりやすく、論理立てて展開していきます。
「機械論的な生命観は、生命をたわめた作りものだ。一度この作りものを通って、動的平衡な生命観にもどるのが学問の本質そのものだろう」
どこか東洋医学に通ずる、しかし、それはサイエンスの範囲を外れていない点で実に面白い。
生命とは何か、生きているとはどういうことかを考え、健康とは何かを考えるうえで、とても刺激になります。
何より、文章が面白い!