開業:シェア鍼灸院の「運営代表」
「晴レヤカ鍼灸治療院」は、仲間の鍼灸師と共同で運営しているんですよね?
ウラベ
松岡先生
そうです。曜日ごとの担当制で、仲間の鍼灸師にベッドを貸しています。
うちは、シェア鍼灸院ですね。
うちは、シェア鍼灸院ですね。
開業を決めたときから、共同でやろうと思っていたんですか?
ウラベ
松岡先生
この物件が見つかったので、シェアする人を探したという感じです。
学生のときに「一緒に開業できたらいいね」なんて話をしますよね。その延長で、近くの人たちに声を掛けたら、たまたまうなずいてくれる人がいました。
学生のときに「一緒に開業できたらいいね」なんて話をしますよね。その延長で、近くの人たちに声を掛けたら、たまたまうなずいてくれる人がいました。
開業の準備や手続きはどのようにしたんですか?
ツルタ
松岡先生
開業資金は私が出しています。内装や設備も、基本は自分の意向を仲間に確認しながら進めていきました。保健所の届出はだいぶ苦労しましたけど、仲間の助けを借りて一緒に行いました。
珍しいやり方ですよね。
ツルタ
松岡先生
まだまだ手探りの状態ですが…。
家賃などの固定費のリスクが分散される点は大きいですし、なにより仲間がいることで臨床の意見交換ができるのはありがたいです。
家賃などの固定費のリスクが分散される点は大きいですし、なにより仲間がいることで臨床の意見交換ができるのはありがたいです。
松岡さんは、この治療院の院長? もしくは、オーナーですかね?
なんとお呼びしたらいいでしょう。
なんとお呼びしたらいいでしょう。
ウラベ
松岡先生
オーナーでもありますが、言うなれば「代表」ですかね。共同運営している鍼灸院の「運営の代表」という感じにとらえてもらえればいいかな。
ちなみに、松岡さんは週にどれくらい出勤しているんですか?
ツルタ
松岡先生
私は週4で働いていて、私のいない日は別の人が治療院にいるというスタイルです。
このやり方は、固定費の無駄が少ないのが良いですね。働き方の調整もできそうだし、これなら家庭の時間を増やせそうな気がします。
ツルタ
なるほど。仲間と一緒にやることで、自分の時間を主体的にコントロールできるようになったんですね。
ウラベ
展望:名人になりたいわけじゃない
脱サラして鍼灸師になった松岡さんだからこその強みってありますか?
ツルタ
松岡先生
今までの社会人経験から、出てくるものはあるのかもしれませんね。
売上に追われるつらさ、上司への忖度(そんたく)、子どもを育てながら働くことの大変さとか。
いろんな患者さんの会話を身近に共感して、さらに引き出していくこともできると思います。
売上に追われるつらさ、上司への忖度(そんたく)、子どもを育てながら働くことの大変さとか。
いろんな患者さんの会話を身近に共感して、さらに引き出していくこともできると思います。
人事での経験が、いかされている部分もあったり?
ウラベ
松岡先生
そうですね。人事の時は、何千人も採用の面接をしていました。
就職活動の時って、学生さんは自分を飾っている部分があると思うんですけど、話しているうちに相手の本音が見えてきたりするじゃないですか?
就職活動の時って、学生さんは自分を飾っている部分があると思うんですけど、話しているうちに相手の本音が見えてきたりするじゃないですか?
ふふふ、それはあるかも。
ウラベ
松岡先生
これって、東洋医学にも通じることだと思うんです。たとえば、ただの肩こりでも、その人の生活習慣がにじみ出ていたりしますよね。身体をとおして、患者さんの社会的背景や生活がわかる…みたいな。
なるほど。ちなみに松岡さんは、これからどんな鍼灸師になりたいですか?
ウラベ
松岡先生
これは恥ずかしい話になるんですけど。
私は広く浅くというか、突き詰めるタイプではないんです。
それに、こんな年齢から鍼灸を始めたので、最初から名人になんてなれないと思っています。
私は広く浅くというか、突き詰めるタイプではないんです。
それに、こんな年齢から鍼灸を始めたので、最初から名人になんてなれないと思っています。
そこ、詳しく聞きたいですね。
ツルタ
松岡先生
鍼灸はレジェンドや、名人を求めるみたいな面があると思うんですが、私が目指すのは、もっと身近な存在です。
身近な存在って?
ツルタ
松岡先生
例えば、私のいた三越って、お得意様と一生のお付き合いをするんですよ。
お客様がご結婚ってなったら、エンゲージリングから引き出物。出産ってなったら、ベビー服やお返しの品まで、生活の全部を見ながらご用意していくんです。
お客様がご結婚ってなったら、エンゲージリングから引き出物。出産ってなったら、ベビー服やお返しの品まで、生活の全部を見ながらご用意していくんです。
三越の経験が、鍼灸師としての目標に影響しているんですね。
それって、人生に寄り添うような鍼灸師ということですか?
それって、人生に寄り添うような鍼灸師ということですか?
ツルタ
松岡先生
人生に寄り添うというのは大げさなので、生活に寄り添うような感じでしょうか。
結局は日々の生活から、いろいろな症状が出ているわけで。その原因をできるだけクリアにすることが、患者さまに納得していただける治療に結び付くと思います。
そうした積み重ねの結果として、患者さまと長いお付き合いをしていきたいです。
結局は日々の生活から、いろいろな症状が出ているわけで。その原因をできるだけクリアにすることが、患者さまに納得していただける治療に結び付くと思います。
そうした積み重ねの結果として、患者さまと長いお付き合いをしていきたいです。
【記事担当】
取材・文・編集・撮影 = ウラベ・ツルタ
取材・撮影 = ゆうすけ
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