自分自身に大きな影響を与え、かつ若手が読むと良いと感じる書籍をセレクトした5冊。各書籍の関連書籍も文中で記してある。
すべての書籍が高い専門性を保持しながらも、できる限り平易に書かれている。
この手前の入門編のような書籍ももちろん存在するが、紹介する書籍は、すべての鍼灸師が、どのタイミングで読んでも、どのキャリアで読んでも、何度読んでも、新しい発見と深い学びを得られ、かつ辞書のようにも使用可能な書籍を選んだ。
(1) 温灸読本
(2) 鍼灸臨床における医療面接
(3) 症例から学ぶ和漢診療学
(4) 漢方腹診考
(5) 超旋刺と臨床のツボ
温灸読本
■ 宮川 浩也(著) ■ 医道の日本社(2014年) |
現在の日本鍼灸界の古典研究をリードする存在の著者。
黄帝内経成立以前の医学書である十一脈灸経と、黄帝内経霊枢の経脈編、十四経発揮のなどの経絡書を比較検討し、古人が伝えようとした「経絡とは何か」ということを現代的に提示している。
『体表観察学』(藤本 蓮風・著/緑書房/2012年)
『経絡流注講義』(横田 観風・著/医道の日本社/1994年)
などの名著を引用しながら経脈の本体へと迫る作業は、著者自身の温灸への自信と実際の鍼灸臨床に即した表現で、シンプルに理解が進む。横山の鍼灸臨床の礎になっている。