オレを拒絶するようなら滅びればいいと思う/鍼灸師:横山 奨

横山奨のいま

人生面でも、多角的だよね。
治療院経営、臨床、スタッフの育成、お父さんもやってて。
日本伝統鍼灸学会の仕事に、専門学校の講師も。
ウラベ
ウラベ
Twitterでお弁当の写真をあげたりして、けっこう家庭的な感じするけど。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
うん(笑)。
「SQ-SALON」と、研究もしてる。
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
実は、最近あんまり研究はしてないんだよね。
どんな研究だっけ?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
鍼の刺し方の実態調査みたいな感じ。
いちおう「日本の伝統鍼灸における鍼施術の実態調査」という題名で論文を書いてる。
オレって…そうだな、最近、何をやってるのかな…(笑)?
ルーティンワークが好きなんだよね?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
うん、月火木金土は臨床して、水曜日はこういう取材を受けたり。
家では家事をして、子どもとの時間をもって。
日曜は学会関係の仕事をしたり、学会やセミナーに行ったりしてる。
そんな感じ。みんなと変わらない気がするけど。
それって、かなり忙しいと思うけど(笑)。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
まぁ、オレの感覚がおかしいかもしれない(笑)。
嫁さんはもっと忙しい人だから、あんまり感じないのかな。
最近は夫婦間のスケジュールもGoogle Calendarで共有してるんだけど、嫁さんは分刻みのスケジュールなんだよ。
オレ、それは無理なんだよね。疲れちゃうから。
休みたくなっちゃう?
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
そう、みんな疲れてから休むじゃない?
オレは、基本的に疲れる前に休むの。
疲れる前に休む?
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
疲れてから休むと、いい水準に戻るまで時間がかかるでしょ?
だから疲れる前に休んじゃう。
疲れ果てた状態だと回復するのが大変だから、こまめに休憩を入れた方が効率もいいってこと?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
何かひとつのことをしたあとにいちいち疲れていたら、次にいけないからさ。
いつも同じようなパフォーマンスをしたいんだよね。
それが安定感に繋がるのかな?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
あとね、オレって怒られるのが嫌いなのよ。
おお…。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
まぁ、怒られても聞いてないし、慣れてるんだけどね。
(笑)。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
疲れてダレると怒られるじゃない?
だからハイパフォーマンスじゃなくてもいいから、いつも一定でいたいんだよ。
なるほどね。
ツルタ
ツルタ
クオリティーを保ちながら、これだけのことをこなすのは半端ないって思うよ。
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
最近は家庭の優先度が高いかな。あとは、臨床、経営、教育、研究…。
そういえば「SQ-SALON」では、オンラインサロンという場で、メンターとして若手の指導にあたっているよね。
あの活動は、教育に入るの?
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
そうだね。「SQ-SALON」は、共有アプリなどを使って日々何かが動いていて、だいたい毎週ミーティングをしてる。
「ロジカルに考える」ってどういうことなのか?とか、あるビジネスフレームワークをやって、そこからどんな学びを得るか?とか。
人と協調しながらも自分の主張をしたり、主体的に動くとはどういうことなのかを、仲間とともに学ぶ場になっているかな。
なんでこんなに忙しいなか、「SQ-SALON」に深く関わっているのか聞いてみたいんだけど。
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
昔さ、将棋の名人がいたのね。名前は忘れちゃったんだけど(笑)。
将棋の名人?
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
彼は「自分を倒せる人を育成したい」と言って、実際に若手を育てたのね。
で、その育てた相手に負けて引退したらしいのよ。
マンガみたいな展開だ。
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
そうそう。それ良いなと思ってさ。
だから、オレはある時期から「サイヤ人」気質になってるんだよ。
サイヤ人?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
若手に倒されたいわけ。
???
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
オレを倒せる人が、出てきてほしいわけよ!
まさかそんな理由でオンラインサロンをしていたとは(笑)。
ツルタ
ツルタ

横山奨のこれから

横山先生
横山先生
あとは自分の広報も優先度が高いかな。
広報?
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
最近は広報が大切と思ってる。
自分の活動を外に発信していくとか、一般向けに何かやるとか。
業団の集まりに顔を出すのは、オレにとっては営業活動って感じかな。
それはアイム鍼灸院を広めているの? それとも横山奨を売っていく活動?
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
両方かな。でもどっちかと言うと横山のほうかな。
横山奨を売っていく先に何かあるの?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
それね…実は最近「何かある」のか、わからなくなっちゃった。
その先に何があるかなんて、特に考えてない(笑)。
目の前にあることを、やっているだけかなって。
もともと、オレは鍼灸を「自分の人生のなかで最も上手くできること」だからやっているわけ。
スケートに匹敵するぐらい、もしくはそれよりももっと上手くできるんじゃないかと思って始めた。
オリンピックに出るような存在になりたいんだもんね。
ウラベ
ウラベ
聞いてて思ったんだけど「大先生」と「クズ」が共存してるのは面白いなって思う。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
それがオレのキャラクターの振れ幅かなって思う。
本質的にはやっぱりクズだから。
(笑)。
ウラベ&ツルタ
ウラベ&ツルタ
クズかは知らないけど、チャラそうに見えることはあるかな。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
そうかもね。
仲間も派手だし、かっこいいけどさ。
ツルタ
ツルタ
クラブイベントの写真をSNSにあげたり(笑)。
ウラベ
ウラベ
そういうのをオープンにしてるってすごいと思う。
鍼灸の目上の先生や、伝統系の人たちから拒絶反応とかないの?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
そんなことでオレを拒絶するようなら滅びればいいと思う(笑)。
言うねぇ(笑)。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
これから先、そんなやつは必要ないよ。
世の中に求められていないと思うから。
強烈だね。「受け入れろ!」ってことでしょ?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
だってそういう時代でしょ。
時代というのは?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
若い鍼灸師は、いまの世の中にできるだけ鍼灸を受け入れられるような形にするわけじゃん?
仮に親から受け継いだとしても、自分の色を出して、今風だったり、自分がいいと思える空間にしたりするわけよ。
鍼灸のあり方も、時代に合わせるべきってことかな?
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
これからは、リノベーション、つまり刷新していくことが必要だと思うんだよね。
だって、今までのままだったら鍼灸はマイナー競技のままだよ?
それって、つまんなくない(笑)?
たしかに時代に合わせて刷新せずに、歴史から消えていったものは、きっとたくさんあるよね…。
ウラベ
ウラベ
横山先生
横山先生
でしょ?オレはそんなのはイヤだから、鍼灸を時代に合わせてより良くしていきたいの。
そして、経済的にも医療的にも科学的にも学術的にも文化的にも人間的にも、鍼灸に関わるすべての分野をレベルアップさせたい。
そうしないと、関わるみんなが幸せにならないでしょ。
それができたら、本当の意味で「大先生」かもね。
ツルタ
ツルタ
横山先生
横山先生
オレにこんなことを言われてしまうのが、今の鍼灸の本質的な問題だと思うわ(笑)。

【記事担当】
取材=ツルタウラベ
文=ツルタウラベ
撮影=ツルタゆうすけ
編集=さまんさ

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