求めていた理想は「自らの手による医療」/鍼灸師:足立 繁久

西洋医学では効果が出ない場合の「余地」が、東洋医学であると証明したい

足立先生
足立先生
あとひとつ、ぼくが興味を持っていることがあります。
ほんと、勉強家ですねえ…(感心)。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
先ほど「医療がしたくて鍼灸師になった」と言いましたが、やはり西洋医学では説明しきれない、例えばどれだけ条件が整っても治療効果が出ない場合の「余地」が東洋医学であると証明したい、ということです。
それは「医療」ではなく「医学」だけど、ぼくのやりたいことのひとつですね。
例えばどういった方法ですか?
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
東洋医学には「易」という分野があります。
一般的には易占い・占術として知られていますし、医易や病占というジャンルもあります。
とくに伝統鍼灸では、目に見えない「機」や「時」を大事にするんですよ。
「人の生き死ににはこのような目に見えない何かが関与する…」
そんな余地がまだあるのかと考えています。
占術って聞くと「んー! あやしい!」ってなりますが、そうやって伺うと、医学にとって欠かせない1つのピースのような気もしますね。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
そこを無視して治療をしてもうまくいかない可能性があるということを、頭のすみっこにおいておくといいのかもしれませんね。
その辺は勉強中ですわ。
先生のようなベテランの方でもこういった努力をなされていると聞けて、よりやる気になりますね。
足立先生のようなご活躍中の方でもすごい努力をされているのに、自分の努力なんか全然足りんやん! と自覚しました(汗)。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
そうですよ〜。おっちゃんもがんばってるんやで! って(笑)。
いつも先生とは飲み会でしかお会いしないので(笑)。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
お酒の力を借りて、日々奮い立たせているんですよ(笑)。

人とのつながりに感謝することが、良い鍼灸師になるために大切やと思います

足立先生は70代のベテランの先生方と、若手の先生方との、ちょうど間の世代やと思うんですね。
足立先生の世代から、若手の鍼灸師に伝えたいことってありますか?
さまんさ
さまんさ

足立先生
足立先生
我々って、受け取ること与えられることに、慣れすぎてしまってると思うんでんすよね。
教えてもらうことが当然というか。
専門学校でもそんな感じでしたね。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
今はネット検索で、無料(タダ)で情報が手に入る時代でしょう。
情報や技術に対価が生じるって感覚が希薄になりやすいと思います。
情報や技術や経験というのは苦労して手に入れたからこそ、 何年経っても色褪せずに残るものです。
ありがたみが薄れちゃう感じ。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
そうそう。
でも、苦労して何かを手に入れる経験って、今の世代は逆に難しいかもしれないですね。
これもまた不運なのかもしれません。
逆に不運であるというとらえ方なんですね。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
だって簡単に得たものに、愛着や執念を持つことって難しいですよね。
せっかく得たものなのに、大切に磨くこともできない。
それって寂しいじゃないですか。なので、次々にコレクトしてしまう。そんなケースも考えられますね。
たしかに、ようやく見つけた希少な本だと、昔は飛びついてすぐに読んでたのに、今だと検索すればそこにあるから「またいつか読もう」とか、買っても「また時間ができたら読もう」ってなります。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
そうなんですよ。昔は情報は一期一会だった。
気を付けておいてほしいことに 「与えられることに慣れてちゃダメ」というのがあります。
私の経験そのものなんですけども。
先ほどお話したように、「教えてもらうのが当たり前」、そんな感覚でいた時期があったんです、私にも。
そんな姿勢で研修に入ったものですから、研修先の先生にビシッと戒められましたね。
先生にもそんな時期が。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
「仕事も教えてもらって、技術も知識も教わるって、それ普通やったら授業料を払ってすることだぞ」と。
そんなことを言われたんですね。
当初は「ハイ、すみません!」と、意味も分からず謝ってるような状態でしたが、 歳を重ねるごとに分かるようになってきました(笑)。
昔の徒弟制度ですね。
今はほとんど聞かなくなってしまった。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
特に現代は「雇用される側を守る」という考えが強く意識されています。
それはそれで良いことなのですが、守られる側の中で当たり前になるとね、 せっかくの環境やご縁を失ったりすることだってあります。
「一期一会」なものであることを忘れてはいけない、と。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
ほんまにね、ぼくも今まで鍼灸師としての人生を振り返ると、けっして順風満帆やったわけじゃないんです。
人間関係で上手くいかなかったこともあったりして。
うんうん。
さまんさ
さまんさ
足立先生
足立先生
今は、そういう経験をとおして、師匠や兄弟姉妹弟子をはじめ、関係が上手くいかなかった人たちにも感謝を忘れず「ご縁にちゃんと感謝しよう」って思っていますね。
鍼灸学生や若手の鍼灸師の方たちも、そうやって人とのつながりをちゃんと大切にすれば、おのずと良い鍼灸師になってくるんじゃないかな、と思いますよ。
さまんささんも、また一緒に飲み会しましょうね(笑)。

■ 足立鍼灸治療院 仁鍼道 (ママサポート治療院)http://total-mamasupport.com
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【記事担当】
取材・文・編集・撮影=さまんさ

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